DELLから販売されている31.5型の4K曲面モニター「S3221QS」を購入しましたので、感想を簡単に記しておこうと思います。
モニター「S3221QS」について
詳しくはメーカー公式の商品ページ(上記)をご覧いただくとして、特に気になった部分について触れておきます。
- 言うまでもなく、出力可能な画面解像度は最大で4Kです。
- 謳い文句通り、モニター本体が少々曲がっている構造になっています。
- 標準の台座では、傾きは微調整可能ですが、ピボット(縦横入替)はできません(もちろんVESAマウントに対応したアームを利用すれば可能ではありますが)。
- パネルはVAとなっています。IPSでもTNでもないことに注意。
- 映像出力はHDMIが2口、DPが1口のみ。当然のことながら、Thunderbolt3による出力には対応していません。
- その他、出力としてUSB-A(3.0)が2つ、イヤホンジャックが1つ備わっています。
- メーカー直販では、この記事を公開した時点で46,980円(税抜)と、TNパネルでも平面モニターでもないのにもかかわらず、32型の4Kとしては比較的安いと思います(VAパネル自体が安くなってきているんでしょうか)。ちなみにAmazonでは現時点で46,800円で買えてしまいます。
使用した感想
まず見た目が結構大きい
これまでに使ったことのあるモニターが24型や27型だったということもあったのですが、箱も本体もとにかく大きいことに驚かざるをえませんでした。一旦設置するだけでも、かなりの存在感が出てくるというものですね。
専用の机もついでに購入するなど、迎え入れる準備はあらかじめやっておくに越したことはありません(この辺りはテレビや大型家電等にも言えることではありますが)。
表示領域の広さ、曲面であることによる見やすさ
31.5型ということで、24型や27型と比べますと、一度に表示できる情報量は半端ないものになっています。映画やDVDを視聴するときも迫力を感じられることでしょうし、パソコンで作業をするときにも整理がつきやすいです。何せ、机の天板が単純に広くなったようなものですから。
それに加えて、曲面モニターとしての利点も存分に体感できます。平面に比べると没入感は並々ならないの一言です。ゲーミング用ほど露骨ではないにしろ、作業や動画視聴に際して負担が軽くなるのは必然というものですね。
こういったところからして、作業環境が劇的に良くなりまして、本当に買ってよかったと思います。ここしばらくは諸事情でディスプレイ自体を保有していなかったこともあったのですが、奮発することも時には大事ですね。
4Kは、そのままだと使いにくい
ただ、いくら31.5型とはいえ、画面解像度4K(すなわち3,840×2,160)だと表示は細かすぎになります。文字が豆粒になってしまっては作業もやりづらいことこの上ないですね。なので、パソコン用として用いる場合には、ディスプレイの設定を変更する(表示倍率を上げる)必要があります。
具体的にどうすれば良いかについては当記事では割愛しますが(調べれば簡単に見つかります)、例えばWindows10の設定で倍率を125%(または150%)に変更すればかなり使いやすくなると思います。
この辺りのことは、フルHD(もしくはWQHDや4K)液晶搭載のノートパソコンを使っている方であれば、なんということもないのですが、不慣れな方もいらっしゃると思うので、念のため。
簡単な作業をする分には、パネルの色合いはさほど気にならない
一般にVAはIPSよりも黒みがかった表示になるのが特徴なのだそうですね(この辺も調べればすぐに分かります)。その分、どちらかと言えば映画や動画などの視聴向けモデルに使われることが多く、写真・画像編集用のモニターとして採用されることはまずありません(そちらの方はIPSパネルの得意分野でもありますし)。
ただ、ブログや小説を書くとか、ネットやSNSに興じるとか、仕事で使う文書を仕上げるとか、そういった簡単な作業である分には、上記のような事情はまず考えなくて良いと思います。よほどの美しさを求めているのでもない限り、気になることは全然ありません。
使い道が限定されていれば、必要以上に求めることもないわけです。節約という面からしても、計画性の大切さを改めて思い知らされます。
安い分、割り切ったほうが良い部分も
「安かろう悪かろう」ではないですが、価格が抑えられている分、割り切るべき部分も確かにあります。
例えば、スピーカーはお世辞にも音質が良いとは言えません。ただ、この辺りはスピーカーを別途購入することで対応可能ですので、あまり気にはなりません。
また、DELLのハイエンドクラスのモニターならば備わっているであろうThunderbolt3の差込口もありません。PC向けとしてはUSB-Aが2口だけです。これも「モニターとしてのみ利用する方」ならば何ら問題を感じない部分ですね。
色調の調整がかなり面倒くさいのも、この手の製品としてはよくあることです。ただ、そんなに頻繁に設定を弄る必要性に迫られるのでもなければ、まず気にしないことでしょう。
こういった感じで割り切ることのできる方であれば、「S3221QS」は十分に買いだと思います。
結論:4Kの入門用としてピッタリだった
色々書いてきましたが、もう一度言います。本当に買ってよかったです。このモニターの導入で、普段の作業が劇的にやりやすくなりました。4Kのエントリーモデルとしては、これ以上にないくらいに素晴らしい製品だと思います。
曲面液晶も見やすいですし、機能がシンプルに抑えられている分、特に困りごとを感じることもありません(少なくとも現時点では)。それに、4Kのモニターで作業をするということがどういうことなのか、このモニターでその片鱗を掴み取れた気がします。
これからも、「モニター沼」に堕ちないように気をつけながら(苦笑)、快適さを味わいつつ愛用し続けていきたいところですね。
【追記】最新鋭の4Kモニターに乗り換えました(2022/04/30)
この度、新しく「U3223QE」という4Kモニターを購入いたしまして、使用感等を以下の記事にて簡単にまとめています。ご興味がありましたらご覧くださいませ。