この記事では、WordPressテーマ「Cocoon」について、実際に利用した感想を簡単にまとめています。
テーマの概要
「Cocoon」は、わいひら氏が長年個人で開発されているWordPressテーマです。
料金
上記でも書いたとおり、無料となっております。なお、ライセンスは100%GPLとなっているため、インストールの状況によらずご利用いただけるとのことです。
業務提携元の「エックスサーバー」について
今年で25周年を迎える「エックスサーバー」は、WordPressに最適化されているサーバー環境を提供していることでも知られています。また、安定した環境を提供し続けていることから利用者の評価が高く、個人・法人を問わず多くの利用者がいるということです。
Cocoonは長らくわいひら氏個人で開発を行ってきておりますが、2022年9月にエックスサーバーに事業譲渡を行った上で、開発続行のために業務提携を行っております。なお、以前は「ロリポップ」とのタイアップなども行っていたようですが、この提携を機にタイアップは廃止となりました(テーマの利用に問題はありません)。
公式マニュアル
マニュアルも整備されており、Cocoonの機能の扱い方の他、細かい項目についてまで懇切丁寧に解説されています。
テーマの紹介(公式サイトより)
Cocoonは、SEO・高速化・モバイルフレンドリーに最適化した無料テーマです。
https://wp-cocoon.com/
見た目はシンプルですが、初めての方でも感覚的に使えるように
便利な機能を織り込んで作りました。
100%GPLテーマなので自由にご利用いただけます。
使ってみた感想
- 総評
評価点: (4.5 / 5.0)
これが無料で良いのかと思うくらいにはぎっしりと詰め込まれた良質のテーマです。下手な有料テーマを選ぶくらいならば、こちらを使った方が良いです。個人開発ならではの欠点こそありますが、長年の実績もあり、資料を探すにも困りません。
- 良いところ
とにかく無料であることを疑いたくなるくらいには素晴らしいテーマです。弟分とも言える「XWRITE」よりも扱える機能は実に多く、それでいて非常に安定しており、扱いやすいです。WordPressをある程度扱い慣れているのであれば、まずこちらを選んでおいて損はないと言えるでしょう。
見栄えを切り替えるためのスキンも数多く用意されている他、標準で子テーマも提供されており、初心者から中級者まではバリバリ使い込めること間違いないでしょう(上級者であっても「Cocoon」で必要十分なケースも少なくないかもしれません)。
アップデートも定期的に行われており、1ヶ月に1、2度くらいの頻度で行ってくださっています。個人開発である分、対応に時間がかかることもありますが、それでも普通に運用していくには問題ないスピードだと思います。
無料であるが故に利用者はとても多く、またCocoonを利用したWordPress構築法の記事も少なくありません。XWRITEと比べても資料の数は段違いに多いです。
もちろん標準でレスポンシブなテーマとなっており、スマートフォンでもパソコンとある程度同じ見た目でブログを閲覧することが可能となっております。また、ブロックエディタ、クラシックエディタの両方に対応している他、WordPressのフォークであるClassicPressにも対応してくださっています。個人開発なのにこの幅広さ、実に頭が下がる思いでございます。
- いまいちなところ
利用者があまりにも多いので、似通ったデザインのブログが量産されてしまっている結果にもなっております。特にアフィリエイターの方々でこのテーマを使用している例もありますし、私自身飽きるほど見ています(苦笑)。一種の風評被害みたいなものですかね。そのため、独自性を求めるのであれば違うテーマを使ってみるのも手でしょう。
また、サポート体制が事実上開発者のわいひら氏に委ねられていると言っても良いくらいには手薄です。専用フォーラムにて善意でサポートくださっている利用者も複数名いらっしゃいますが、質問できる項目や内容は限られており、基本的には自己解決することを念頭に置いていただく必要があります(もちろん、検索してヒットする資料は山ほどありますので、大抵のことは調べれば解決はするのですが)。
個人開発であることに加え、無料である分、ある程度割り切った考え方で運用していく必要があるかと思います。そして、足りない部分は自分で補うか、Cocoonを使った有償カスタマイズ依頼についても検討しなければなりません。
【参考】これからCocoonを使いたい方向けの資料(エックスサーバー公式)
【関連】有料テーマ「XWRITE」について
エックスサーバー社は2022年9月に有料テーマ「XWRITE」の販売を開始しております。
2つのテーマを同会社で共存させている意図は私にはよく分からないのですが、少なくともCocoonの弟分のような立ち位置ではあることでしょう。
また、設定項目が多い分、ある程度細かい部分まで設定を行う必要のあるCocoonと比べると、XWRITEは比較的短時間でも初期設定が終えられるように思います。また、XWRITEは公式に企業開発を謳っており、機能アップデートや修正などの早さは素晴らしいものがあると言っても良いかもしれません。
WordPressに慣れている方であればCocoonの方を使いたくなるかもしれません(そもそも無料ですし)。ただ、安定感を求めたいのであれば、XWRITEを使ってみるというのも、個人的には悪くはないと思います。