こちらの記事は、「松屋フーズ」が展開しているブランドのうち「松屋」「松のや」「松屋・松のや 併設店」を解説したものになります。個人的な資料のために用意した記事になりますが、参考にしていただけますと幸いです。
「マイカリー食堂」「松屋・マイカリー食堂 併設店」「松のや・マイカリー食堂 併設店」「松屋・松のや・マイカリー食堂 併設店」編やその他ブランドの解説記事もそのうち出せたら良いなあ、とは思いますが、とりあえず主要2ブランドについてのみ取り急ぎ作ることにした次第です。
松屋

ブランドの特徴
言わずと知れた「松屋フーズ」の中核となる一大ブランドです。1968年に中華食堂として創業した後、程なくして牛丼(牛めし)・焼肉定食の事業も始めたところ、 後者の方で大きく成長して今に至ります。1 なお、「牛めし」事業としての1号店は「松屋 江古田店」として現存しています。
店舗数は2025/08/16時点で1,139店舗(各種併設店を含む)。2 「吉野家」「すき家」「なか卯」に並ぶ「和のファストフード」を牽引するブランドとして大きな知名度を誇ります。
出店の傾向は他の3ブランドと違って都市部に集中することが多く、郊外・地方への出店は抑えられる傾向にありました。しかし、最近は「松屋・松のや併設店」(出店)という形での新規出店が多くなっております。
現在「松屋」ブランド単独での新規出店は控えられており、「松屋・松のや併設店」での新規出店・業態変更が増加傾向にあります(実際、2025年8月16日時点では新規出店・業態変更はほぼ全て後者の方になっています3 )。
メニューの傾向
他の3ブランドと比べると、各種焼肉定食・焼肉丼・ハンバーグ定食の充実ぶりが何よりの特徴です。また、今では当たり前になった「カレー」商品も、松屋は1980年頃から提供を開始しており、長期の歴史を誇っております。4 そして、牛丼(牛めし)やカレーも含め、店内での飲食の場合には味噌汁が無料で付いてくるのも魅力ですね。
直近では「シュクメルリ鍋」を始めとして、海外ご当地グルメのアレンジ商品が話題になることも多いです。各大使館の関係者の方々と打ち合わせを行ったり、商品を召し上がっていただいたりする光景も、X(旧Twitter)などでしばしば目にしますよね。このような意外性を秘めたメニュー開発も他社ブランドではなかなか見られないことであり、松屋ならではだと思っております。
「単独店」「松屋・松のや併設店」においては、期間限定メニューも含めて全て出される傾向にあります。言い方を変えると、松屋公式サイトなどで発表・紹介されているメニューはほぼ全て頼めるようになっています(もっとも、「松屋・松のや併設店」では早期に販売が打ち切られる場合もあります)。
一方、「松屋・マイカリー食堂併設店」では、特にカレー商品の定番商品・期間限定商品の取り扱いがない場合があります(「マイカリー食堂」ブランドの商品が優先されるため)。
松のや

ブランドの特徴
2001年4月に前身の「チキン亭」がオープン、その後とんかつ事業として再編の後、近年になって新規出店のペースを早めております。今や「松屋フーズ」第2の核ブランドとして一気に成長しており、2023年3月には300店舗を達成5 、2025年4月には500店舗を達成しています。6 2025/08/16時点では536店舗を数えています7(いずれも併設店を含みます)。
出店の傾向としては、都市部を中心にブランド単独での店舗も見受けられますが、2025/08/16の時点では「松屋」との複合店という形での出店が目立ちます。また、既存の「松屋」単独店舗もしくは「松のや」単独店舗から、併設店舗に業態変更することもしばしばあります。このような形での出店を進められるのは、「低価格帯のとんかつ業態」として競合する有名ブランドが「かつや」くらいであることに加え、他社の「和のファストフード」ブランドにはないメニューを出せるというところが大きいと思われます。
なお、ブランド開始当初(2005年)は「松乃家」を名乗っておりましたが、中華料理店と誤解されることを防いだり、海外展開を視野に入れだしたりするなどの事情で、順次「松のや」へと名称変更を行っています。 8 また、「チキン亭」ブランドのお店は細々と残っておりましたが、2020年1月に最後の店舗が閉店し、ブランド消滅となりました。9
メニューの傾向
「ロースかつ定食」を中心に、バラエティに富んだ揚げ物の定食を低価格で食べられるのが大きな強みです。定食については「松屋」よりも総じて安くつくということもあり、割安感はやや強めです。物価高により値上がりが続いていますが、それでも700円もあればとりあえずトンカツ定食ぐらいは食べられるというのは、企業努力のたまものですし、本当に頭が下がります。なお、「かつや」は丼にもそれなりに注力している一方、「松のや」はやや丼メニューが弱く、定食メニューの豊富さで差別化を図っています。
限定メニュー等の取り扱いについては、「松屋・松のや併設店」のみ販売が早期に打ち切りになる場合がある他、こちらの併設店ではそもそも販売されないこともしばしばあります(「朝食」メニューや一部期間限定メニューなど)。どうしても「松屋」の方を中心にしたいという思惑があるようです。いずれにしても、「松屋・松のや併設店」にしか足を運べないという方は、メニュー面で不便を強いられることがあるかもしれません。
そして、「松のや」単独店や「松のや・マイカリー食堂 併設店」においては無料券を乱発する傾向があります(逆に「松屋・松のや併設店」では「松のや」無料券はほとんど配られません。ただし無料券を使用すること自体は可能です)。内容は時期により異なりますが、「コロッケ」無料券はもはや定番と化している上、足繁く通っていると無料券が余りやすいです。
松屋・松のや併設店(複合店)

業態の特徴
最近、特に出店が増えている業態になります。地方を中心に新規出店を増やしている他、既存店舗の業態変更という形での出店も目立ちます。
詳細はすでに上記に書いたとおりですが、「牛めし」を大黒柱とする「松屋」ブランドだけでは新規出店の魅力に乏しく、「とんかつ」やその他揚げ物のメニューを追加することによって差別化を図っていることが大きいと思われます。
メニューの傾向
こちらも既に上記にも書いたことの繰り返しになってしまいますが、以下のとおりです。
- 「松屋」メニュー: おおむね全て提供される傾向にありますが、たまに早期に打ち切られることがあります。
- 「松のや」メニュー: 全てが提供されるわけではなく、商品によっては販売対象外になることもあります。また、販売されたとしても、早期に打ち切られることもあります。
一方で、数は少ないのですが、「松屋・松のや併設店」でしか食べられないメニューもあります(「松屋」のカレー商品に「ロースかつ」を乗せたものなど)。また、「松のや」限定メニューとして提供されている有料の調味料などを「松屋」メニューと一緒に味わうといった楽しみ方もできますし、逆もまたしかりと言えるでしょう。
なお、「松のや」店舗と「松屋・松のや併設店」では卓上の調味料の内容が若干異なっています(特に野菜のドレッシング類)。個人的には「松のや」のにんじんドレッシングを「松屋」の生野菜サラダで味わいたいと思っているのですが、そのような光景はあまり見かけたことが無く、ほとんど実現していません(ただし、持ち帰り用としては提供されている店もあるようです)。
脚注
- 会社沿革|企業情報|松屋フーズホールディングス ↩︎
- 松屋店舗一覧 | 店舗案内|松屋フーズ ↩︎
- 新店・一時閉店一覧|松屋フーズ ↩︎
- 牛丼屋の松屋が、あえてカレーにこだわる理由とは? | ハーバー・ビジネス・オンライン ↩︎
- 2週連続 ワンコインセール 開催!「チキンかつ定食」「ロースかつ定食」|松のや|松屋フーズ ↩︎
- さらなる挑戦の幕開け!とんかつ業態500店舗達成記念!松のやからお得なクーポン券を配布|松のや|松屋フーズ ↩︎
- 松のや店舗一覧 | 店舗案内|松屋フーズ ↩︎
- とんかつ「松のや」最大290円引き“チキンかつ500円SALE”チキンかつ定食トッピングポテトサラダ・ネギ味噌チキンかつ・タルタルチキンかつ/松屋フーズ | 食品産業新聞社ニュースWEB ↩︎
- 1階のお店が「チキン亭」⇒「松のや」にかわってました | Mens Waxing Salon NADIO ↩︎