10月19日は「TOEICの日」です。「トーイック=1019」の語呂合わせから、英語に触れて楽しむ日として制定されました。英語の勉強を始めたり、以前の学習を再開したりするきっかけにしてみませんか。
TOEIC L&Rを受けてみたものの、「音声が速くてついていけない」「文章を読み終える前に時間が来てしまう」と感じている方もいるでしょう。
470点未満の方がスコアアップを目指すときは、基本単語・文法を学び直しながら、短い英語を聞いて、読んで理解する力を育てることが大切です。
この記事では、まず学習全体の進め方を説明し、その後にPart 1〜7の具体的な対策を紹介します。
試験構成・公式評価は以下のIIBC公式資料を参照しています。本文の学習方法と時間配分は、それらを踏まえた提案です。
※本文の英文例は説明用に作成したものであり、実際の試験問題の転載ではありません。
総論:470点を目指すために、何から始める?
1.「英語が苦手」を、もう少し具体的にする
最初に確認したいのは、点数そのものよりも、どこで理解が止まっているかです。
例えば、音声を聞いて分からなかった問題でも、英文を読めばすぐに意味が分かることがあります。この場合は、単語の発音や、音のつながりに慣れる練習が必要です。
一方、英文を読んでも意味が分からないなら、単語や文法の確認から始めましょう。
| 今の状態 | 優先して取り組みたいこと |
|---|---|
| 基本的な単語や短い文の意味が分からない | 中学校で学ぶ単語・文法の学び直し |
| 文字なら分かるが、音声では分からない | 発音の確認と、短い音声の反復練習 |
| 一文ずつなら分かるが、長くなると理解できない | 短い会話や文章の要点をつかむ練習 |
| 時間をかければ分かるが、本番では間に合わない | 理解の正確さを保ちながら、処理を速くする練習 |
IIBCの公式なレベル別評価も、ListeningとReadingを分けて示しています。合計点だけで判断せず、それぞれのスコアと実際のつまずきを確認しましょう。
2.基本文法を、短い例文で理解する
まず確認したいのは、文の土台となる主語と動詞、疑問文・否定文、時制、そして名詞・動詞・形容詞・副詞の働きです。
例えば、次の文を見てみましょう。
- The meeting starts at nine.(会議は9時に始まります。)
「The meeting=会議が」「starts=始まる」「at nine=9時に」と整理できれば、文の意味をつかみやすくなります。
このように、文法は実際の英文と結び付けて確認します。基本が分かってきたら、助動詞、前置詞、不定詞、動名詞、比較、受け身、関係代名詞などへ進みましょう。
文法を全部終えるまで、TOEICの問題を解くのを待つ必要はありません。 基礎の学習と少量の問題演習を並行し、分からなかった内容に戻る方法でも進められます。
3.単語は「意味・音・短い表現」をセットで覚える
単語を文字だけで覚えると、音声で流れたときに気づけないことがあります。意味を確認したら音声も聞き、自分でも発音してみましょう。
| 単語 | 基本的な意味 | 一緒に覚えたい表現 |
|---|---|---|
| meeting | 会議 | attend a meeting:会議に出席する |
| order | 注文・注文する | place an order:注文する |
| arrive | 到着する | arrive at the station:駅に到着する |
| available | 利用できる・空いている | The room is available.:その部屋は空いています。 |
| appointment | 予約・約束 | make an appointment:予約を取る |
最初は、日常生活や仕事で使う基本的な言葉を優先します。一度に大量に覚えようとせず、例えば新しい単語を1日5〜10語確認し、前日までに学んだ単語も復習するところから始めましょう。
翌日や数日後にも確認し、「見れば分かる」「聞いても分かる」言葉を少しずつ増やします。
4.問題を解く時間と同じくらい、復習を大切にする
問題を解いたら、正解・不正解の確認に加えて、分からなかった理由を調べましょう。
リスニングは、次の流れで復習できます。
- まず音声を聞いて解く。
- 英文と日本語訳を読み、内容を確認する。
- 英文を見ながら聞き、聞き取れなかった箇所を確かめる。
- 一文ずつ音声を止め、まねして読む。
- 最後に英文を見ずに聞き、意味が分かるか確認する。
音声を追いかけて発音する「シャドーイング」が難しい場合は、一文ずつ止めてまねする方法から始めれば十分です。
リーディングでは、知らなかった単語、読み違えた文の形、答えの根拠を確認します。正解した問題でも、勘で選んだものは復習の対象にしましょう。
5.短い問題を軸にしながら、全Partに少しずつ触れる
学習の入り口としては、短い英語を扱うPart 1・2と、文法・語彙を確認できるPart 5が取り組みやすいでしょう。
ただし、この3つだけに学習を限定すると、長い音声や文章を理解する練習が不足します。Part 3・4は1セット、Part 6・7は短い文書から、少しずつ取り入れてください。
通常のマークシート形式では、Listeningが約45分・100問、Readingが75分・100問です。各Partは次のように分かれています。
| Part | 主な内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| Part 1 | 写真に合う説明を選ぶ | 6問 |
| Part 2 | 質問や発言に合う応答を選ぶ | 25問 |
| Part 3 | 会話を聞いて答える | 39問 |
| Part 4 | アナウンスなどを聞いて答える | 30問 |
| Part 5 | 一文の空欄に入る語句を選ぶ | 30問 |
| Part 6 | 文書の空欄に入る語句や一文を選ぶ | 16問 |
| Part 7 | 一つ、または複数の文書を読んで答える | 54問 |
※上記は通常のマークシート形式の構成です。IPテストのオンライン形式とは異なります。
各Partごとの基本的な対策
Part 1:写真の「動作」と「状態」を聞き取る
Part 1では、写真に合う説明を選びます。人や物の名前に加えて、動作や位置を表す言葉を覚えましょう。
例えば、次のような表現です。
- carrying a box: 箱を運んでいる
- sitting on a bench: ベンチに座っている
- standing near a window: 窓の近くに立っている
- on the table: テーブルの上に
学習するときは、写真を見て「誰が、何をしているか」「何が、どこにあるか」を整理してから音声を聞きます。
大切なのは、写真にある物の名前が聞こえただけで、正解だと思わないことです。箱が写っていても、「箱を運んでいる」と「箱が机の上にある」では説明が異なります。
また、動作の最中なのか、すでにその状態になっているのかにも注意しましょう。
- A man is putting on a jacket.(男性が上着を着ようとしているところです。)
- A man is wearing a jacket.(男性は上着を着ています。)
まずは、こうした基本的な違いを写真と結び付けて理解します。Part 1は6問なので、ここだけに学習時間をかけすぎないことも大切です。
Part 2:質問の意図と、自然な返答を理解する
Part 2では、質問や発言と、それに対する3つの応答が流れます。問題文も選択肢も印刷されていないため、短い英語を耳で理解する練習が必要です。
最初は、Who(誰)、When(いつ)、Where(どこ)、Why(なぜ)、What(何)、How(方法・状態など)を聞き分けるところから始めましょう。
例えば、次のやり取りです。
- Where is the meeting room?(会議室はどこですか?)
- On the second floor.(2階です。)
ただし、疑問詞だけで答えを決めることはできません。次のように、直接答えない返答もあります。
- When does the meeting start?(会議はいつ始まりますか?)
- Please check the schedule.(予定表を確認してください。)
また、質問だけでなく、「コピー機が動きません」といった発言への応答もあります。
復習では、質問・発言と正しい応答をセットで音読し、「なぜこの返答で会話が成立するのか」を確認しましょう。聞き慣れた単語があるかどうかより、やり取りの意味を優先します。
Part 3:会話の場面をつかみ、分かる情報を増やす
Part 3は、会話を聞いて答える問題です。慣れないうちは、会話を聞きながら設問や選択肢を読むことに負担を感じるかもしれません。
まずは、次の3点を捉える練習をしましょう。
- 誰と誰が話しているか
- 何について話しているか
- 次に何をするのか
例えば、「客と店員が商品の交換について話している」と分かれば、個々の発言も理解しやすくなります。
音声が始まる前に設問を読む「先読み」も方法の一つです。ただし、読むことに集中しすぎて音声を聞き逃してしまうなら、まずは「場所を尋ねる問題」「次の行動を尋ねる問題」など、設問の要点だけ確認してみましょう。
練習の初期段階では、1セット3問のうち、1問でも根拠を理解して答えられることを小さな目標にできます。その後、会話全体を復習し、理解できる範囲を広げていきます。
本番では、聞き逃した内容を考え続けず、次の音声に意識を戻すことも大切です。
Part 4:「誰に向けた、何のお知らせか」をつかむ
Part 4では、施設の案内、留守番電話、イベントのお知らせなどを聞きます。
最初に意識したいのは、「誰に向けて、何のために話しているか」です。例えば「利用客への営業時間変更のお知らせ」と分かれば、変更後の時間など、注目したい情報を整理できます。
学習では、次の内容を確認しましょう。
- 話の目的
- 日時や場所
- 変更点や注意点
- 聞き手に求めている行動
数字を聞き取れた場合も、それが開始時刻なのか、料金なのか、部屋番号なのかを確認します。数字と、その数字が表す内容を結び付けることが大切です。
復習では、一つの音声を短く区切り、「ここでは何を伝えているか」を日本語で簡単に説明してみましょう。冒頭で話の種類をつかみ、その後の情報へつなげる練習になります。
Part 5:品詞と基本文法を、実際の文で使えるようにする
Part 5は、一文の空欄に入る語句を選ぶ問題です。
まず確認したいのは「品詞」です。品詞とは、名詞・動詞・形容詞・副詞など、単語の働きによる分類を指します。
例えば、次の空欄を考えてみましょう。
- Please speak ______.(ゆっくり話してください。)
- 選択肢: (A) slow/(B) slowly/(C) slowness/(D) slower
この文では、「話す」という動作を説明する副詞の slowly が適切です。
問題を解いたら、次の点まで確認すると復習しやすくなります。
- 空欄には、どのような働きの言葉が必要か。
- 文の主語と動詞はどれか。
- 正解を入れると、文全体はどのような意味になるか。
品詞に慣れたら、時制、主語に合った動詞の形、代名詞、前置詞、接続詞なども確認します。
なお、Part 5には文全体の意味から単語を選ぶ問題もあります。「語尾を見れば解ける」と考えすぎず、英文の意味を理解する練習も並行しましょう。
最初は時間をかけて正確に解き、慣れた問題から少しずつ解答時間を短くします。
Part 6:空欄の前後を読み、文章のつながりを確認する
Part 6では、メールやお知らせなどの文書の空欄を埋めます。
文法や語彙の知識に加えて、前後の文がどのようにつながっているかを読む力が必要です。まず「誰が誰に、何を伝えている文書か」を確認しましょう。
例えば、接続表現には次のような働きがあります。
- however → 前の内容と対比する:「しかし」
- therefore → 結果を示す:「そのため」
- also → 情報を追加する:「また」
- for example → 具体例を示す:「例えば」
一文を丸ごと選ぶ問題では、直前だけでなく、後ろの文にも注目します。後ろの文に「この変更」とあれば、何の変更を指しているかを確認する必要があります。
学習では、空欄を埋めた後に文書を最初から読み直しましょう。「なぜこの文や表現を入れると自然につながるのか」まで理解することが、Part 7の読解にもつながります。
Part 7:短い文書から始め、答えの根拠を見つける
Part 7は、広告、メール、お知らせなどを読む問題です。
最初は短い一文書の問題から取り組み、次の流れを身につけましょう。
- 文書の種類と、何について書かれているかを確認する。
- 設問を読み、何を答えるのか整理する。
- 本文から関係する箇所を探す。
- その部分の意味と選択肢を比べる。
学習中は、分からない単語を調べたり、一文ずつ意味を確認したりして構いません。答えの根拠がどこにあるのかを説明できる状態を目指します。
注意したいのは、本文と選択肢で表現が変わる「言い換え」です。
- 本文: The event is free.(そのイベントは無料です。)
- 選択肢: Visitors do not have to pay.(来場者は料金を払う必要がありません。)
使われている単語が違っても、同じ内容を表しています。同じ単語を探すだけで終わらず、意味が一致しているかを確認しましょう。
短い文書に慣れたら、メールと案内文など、複数文書のつながりを読む練習へ進みます。「どの文書に何が書かれているか」を整理するところから始めてください。
1日30分から始める学習メニュー
毎日まとまった時間を取るのが難しい方は、30分程度から組み立ててみましょう。
| 学習内容 | 時間の例 |
|---|---|
| 基本単語の復習と音声確認 | 5分 |
| 基本文法、またはPart 5の学習 | 10分 |
| Part 1・2などのリスニングと復習 | 10分 |
| 短い文書の読解 | 5分 |
Part 3・4の復習に時間を使う日は、リスニングの枠を広げるなど調整します。毎日すべてのPartに取り組む必要はありません。
大切なのは、時間内に問題を大量に終わらせることよりも、取り組んだ英語を理解することです。復習に時間がかかる日は、新しく解く問題を減らしましょう。
試験が近づいたら、時間を測る練習も加えます。可能であれば、本番と同じ形式の問題で2時間の流れを経験し、集中力や解答用紙への記入にも慣れておきましょう。
Readingでは、一問にこだわりすぎると後の問題に使える時間が減ります。迷った問題はいったん答えを選んで先へ進むなど、自分に合った切り替え方を練習しておくと、本番で判断しやすくなります。
勉強の成果は「理解できるようになったこと」でも確認する
スコアは大切な目安ですが、日々の学習では次のような変化も確認してみてください。
- 昨日まで分からなかった単語を、音でも理解できた。
- 短い質問を聞き、何を尋ねているか分かった。
- 英文の主語と動詞を見つけられた。
- メールから日時や依頼内容を読み取れた。
- 正解の理由を、自分の言葉で説明できた。
同じ問題を解き直すと答えを覚えている場合もあるため、ときどき未学習の問題でも確かめましょう。
まずは今日、短い英文を一つ選び、意味を確認して音声を聞くところから始めてみてください。翌日にもう一度聞いて理解できれば、それも学習の前進です。
