【動画あり】ネット風刺のウソ映画『クソリプゾンビ』のウソ予告ページ・動画

2019年12月20日その他Twitter,ネットリテラシー,動画あり記事

ウソ映画『クソリプゾンビ』のイメージロゴ(公式サイトよりキャプチャ)

「それは、ただのクソリプのはず……だった」

TwitterやFacebookといったSNS等でもはや見ない日はなくなったと言っても良い「クソリプ」(揚げ足取りでしかない返信)。これを題材にしたウソ映画『クソリプゾンビ』の予告サイト風のページが現在公開されている。

 

このウソ予告の作者は「みやかけお」さん。およそ20年にわたり、インターネットの世界を風刺する作品を、自身のサイト「ザ・ガーベージ・コレクション」で制作、公開し続けている人だ。

特に「とある かぞくが のこした blog」として知られる「十億アクセスの彼方に」(2004年公開)は、アクセス稼ぎのためだけにブログで全てを曝け出したときに起こる恐怖をうまく描ききっており、当初は大きな話題となった。(もう15年前になるんだな……)

 

インターネットの世界をうまく風刺する技術が今なお健在であることは、あらすじに少し目を通すだけで分かる。

クソリプゾンビ……それはSNSが世の中に広まってから産まれた新たな精神疾患で、これに罹患すると、SNSを閲覧するたびに、他の誰かにクソリプを送らなければいられなくなってしまうのだという。さらに”クソリプゾンビ”からクソリプを送られた人も、同様に"クソリプゾンビ"と化し、やはり誰彼かまわずクソリプを送るようになってしまう。

引用元:KUSOREP ZOMBIE

誰彼構わず「クソリプ」を送ってしまう(そして、場合によっては取り返しのつかない事態を招く)ということを、あえて新たな疾患としたというところに、作者の設定の巧さが垣間見える。

実のところ、「なんとかして物申したい」という衝動、あるいは「自分こそが正しいことを確認したい」という欲求が「クソリプ」の主要因ではある。しかし、この衝動はしばしば無意識のうちに起こってしまうので、気づかないうちにやってしまったとしても、決しておかしくはない。人間誰しもが、「クソリプ」をする可能性はあるし、「クソリプゾンビ」に化ける可能性すらあるのだ。

 

インタビューとして掲載されている以下の文章も、味わい深いものがある。

ーテーマがクソリプということですが、どこからこの発想が出てきたんでしょうか。

実体験ですね。以前、私が「最近の洋画のタイトルに付けられる副題が説明的すぎる。鑑賞者を馬鹿と思っているのが透けて見える」というツイートをしたんですね。そうしたら、見ず知らずの人から「説明的にしないと映画館に客が来ないからだよ。それもわからないようなお前みたいな馬鹿のために、苦労して説明的な副題をつけてるんだよ。バーカwww」というリプライが寄せられたんですね。これ、明らかに私の言わんとしていることとは違う部分に噛み付いてきてますよね。「そうしないと映画館に客が来ない」って、そんなことはわかってるって(笑)私が言いたいのは、そこまで説明してやらないと興味が持てないようなレベルの低い連中を相手にしていると、いずれ取り返しのつかないところまで映画界のレベルが下がっちゃうよ、ということなのに、その真意を汲み取るところには至らないで、ツイートに使われた言葉のみを捉えて脊髄反射的にリプライを送ってくる。これは私にとってはクソリプ以外の何物でもないんです。構造として言いがかりを受けるのと同じことですから。

引用元:KUSOREP ZOMBIE

最近は、SNSを中心に、活字や画像によるコミュニケーションが異常なまでに発達してしまったこともあってか、「真意を汲み取れない」人、「言葉尻だけを捉えて勝った気になる」人が目立ってきているように思う。いちいちあれやこれやと説明をしないといけないというのは、「空気も表情も送ることができない」媒体ならではのデメリットではあるだろうか。

もちろん、説明不足や誤解を招く表現は慎むべきだろう。けれども、人間誰しも、限界や想定外というものはある。どんな状況が起こってもしっかり対処できるというような完璧超人は、まずあり得ない。そういったことを想定しえないような人こそが「クソリプ」を送ってしまうのだと思う。

他のアカウントに声をかける際には、何よりもまず「相手の立場に立って考えてみる」という、コミュニケーションの基本に立ち返りたいものだ。

 

最後になったが、予告編風の動画も見応えがある。それっぽく作られていて、これだけでも立派な風刺作品になっているので、是非ともご覧いただきたい。

 

「いちごいちえ」は、みやかけおさんを応援しています。

Posted by 稲葉 大和